「自分のマンションは管理計画認定を取っていないけれど、売るときに不利になるのでは?」
これから売却を考えているなら、気になるところです。
管理計画認定マンションは、管理状況が一定の基準を満たしていることが見える化されるほか、購入者が利用できる住宅ローンの金利優遇などもあります。そのため、認定を取得していないマンションは、購入者から比較されたときに不利になる可能性があります。
ただし、「管理計画認定を取っていない=売却価格が必ず下がる」というわけではありません。
実際の価格は、立地や築年数、建物の状態、修繕計画なども含めて決まります。
では、認定を取っていないことで、具体的にどのような影響が考えられるのでしょうか。
管理計画認定を取っていないマンションは売ると価格が下がる?
結論からいうと、管理計画認定を取得していないことが、売却時のマイナス材料になる可能性はあります。
ただし、「認定なしだから○万円下がる」というように、認定の有無だけで価格への影響を決めることはできません。
ポイントは、認定を取得しているマンションと比べたとき、購入者からどのように評価されるかです。
認定なしが売却価格に影響する可能性がある理由
国土交通省は、管理計画認定制度について、マンションの管理状況を「見える化」することで、認定マンションが市場で適切に評価されることを期待しています。
つまり、認定を取得しているマンションには、
「一定の管理基準を満たしていることが確認されている」
という判断材料があります。
一方、認定を取得していないマンションでは、買主が物件の管理状態を判断するために、長期修繕計画や修繕履歴、修繕積立金などを確認する必要があります。
さらに、管理計画認定マンションを購入する場合、住宅金融支援機構の「フラット35」では、一定の条件のもとで当初5年間の金利引下げを受けられます。
そのため、購入者が似た条件の中古マンションを比較している場合、
「こちらは管理計画認定を取得している」
という違いが、購入判断の材料になる可能性があります。
ただし、これは「認定なしなら売れない」という話ではありません。
あくまで、同じような条件のマンションを比較したときに、認定の有無が一つの判断材料になり得るということです。
「認定なし=○万円安くなる」とは言えない
ここは売却を考えている人が誤解しやすい部分です。
管理計画認定を取得していないからといって、
「認定がないので売却価格から300万円下げる」
のように、制度上決められた減額があるわけではありません。
マンションの価格は、駅からの距離や周辺環境、築年数、専有面積、階数、建物の状態など、さまざまな条件によって変わります。
さらに管理状態についても、認定の有無だけでは判断できません。
例えば、認定を取得していなくても、
- 大規模修繕が計画どおり実施されている
- 長期修繕計画が適切に作られている
- 修繕積立金が適切に確保されている
- 管理組合がきちんと運営されている
といったマンションなら、「認定を取得していない」という一点だけで大幅に評価が下がるとは限りません。
逆に、認定の有無とは別に、修繕積立金の不足や修繕計画の問題などがあれば、そちらのほうが購入者から気にされる可能性があります。
管理計画認定を取っていなくても売却価格が下がりにくいマンションの特徴
「認定なし」という事実だけを見て、売却価格が大きく下がると考える必要はありません。
実際の売却では、認定の有無とマンションそのものの競争力を分けて考えることが重要です。
立地や交通アクセスに強みがある
例えば、駅から徒歩数分で、周辺にスーパーや病院、学校などがそろっているマンションなら、管理計画認定の有無とは別に購入したい人が見つかる可能性があります。
特に中古マンションでは、同じエリアで似た価格帯の物件が比較されるため、立地そのものに強みがあるかどうかは重要です。
「認定がないから安い」と考える前に、そのマンションを買いたいと思う理由がほかにあるかを考えたほうがいいでしょう。
修繕・管理が適切に行われている
管理計画認定の基準には、管理組合の運営や経理、長期修繕計画などが含まれています。
そのため、認定を取得していなくても、実際の管理状況を確認してみる価値があります。
例えば、
- 定期的に総会が開催されている
- 大規模修繕の履歴が残っている
- 管理費と修繕積立金が適切に管理されている
- 長期修繕計画が作成・見直しされている
といった状態なら、「認定なし」という情報だけではマンションの管理状態を判断できません。
長期修繕計画や修繕積立金に問題がない
買主が中古マンションを購入するときに気になるのは、現在の見た目だけではありません。
「今後、大きな修繕費用が必要になったときに対応できるのか」という点も重要です。
国土交通省の認定基準でも、長期修繕計画について、一定期間ごとの見直しや30年以上の計画期間、大規模修繕工事の予定などが確認項目になっています。
そのため、認定を取得していなくても、長期修繕計画や修繕積立金の状況を説明できるマンションなら、認定の有無だけで判断されるとは限りません。
周辺の中古マンションと比較して競争力がある
最終的に購入者が比較するのは、管理計画認定の有無だけではありません。
例えば、
Aマンション:駅徒歩5分・築20年・認定なし
Bマンション:駅徒歩15分・築20年・認定あり
という2物件なら、Bマンションが必ず選ばれるとは限りません。
価格や駅距離、専有面積、階数、眺望、室内状態など、購入者が重視する条件によって判断は変わります。
だからこそ、「認定を取っていないから、自分のマンションは相場より安くしか売れない」と決めつけるのは早いのです。
管理計画認定を取っていないマンションを売る前に確認したいこと
売却を考えているなら、まず「認定がない」という一点だけで判断しないことです。
なぜ認定を取得していないのか
同じ「管理計画認定なし」でも、その理由は一つとは限りません。
例えば、
- そもそも管理組合が申請していない
- 認定制度を利用する必要性を感じていない
- 認定取得に向けて準備中
- 認定基準を満たしていない項目がある
などが考えられます。
特に売却を考えているなら、「認定を取得していない」という結果だけでなく、なぜ取得していないのかを確認しておくと、買主から質問されたときにも説明しやすくなります。
まずは管理組合や管理会社に、現在の認定状況を確認してみましょう。
長期修繕計画・修繕積立金・修繕履歴を確認する
次に確認したいのが、実際の管理状態です。
管理計画認定の基準でも、修繕積立金の管理や長期修繕計画などが確認対象になっています。
売却前に、
- 長期修繕計画はあるか
- 最後に見直されたのはいつか
- 大規模修繕はいつ実施されたか
- 修繕積立金はいくらあるか
- 今後、大きな修繕予定があるか
などを確認しておくと、査定や売却活動の際にも話がしやすくなります。
自分のマンションが市場でいくら評価されるのか確認する
ここまで確認しても、
「結局、管理計画認定を取っていないことで、自分のマンションはいくら安くなるの?」
という疑問は残ります。
しかし、この金額を制度だけから計算することはできません。
実際の売却価格を知るには、現在の市場でそのマンションがどの程度評価されるのかを不動産会社に査定してもらうのが現実的です。
認定なしマンションの売却価格を知るなら複数社に査定してもらう
管理計画認定を取っていないことが気になっているなら、査定では単純に「いくらですか?」と聞くだけでなく、認定なしという条件をどう評価したのかまで確認するのがおすすめです。
査定額だけでなく「認定なしをどう評価したか」を確認する
例えば、ある不動産会社から、
「周辺相場から考えて3,500万円程度です」
と査定されたとします。
それだけでは、管理計画認定を取っていないことが価格に反映されているのか分かりません。
そこで、
「管理計画認定を取得していないことは、査定額に影響していますか?」
と確認してみましょう。
影響しているのであれば、
「具体的にどの部分をマイナス評価していますか?」
まで聞いておくと、その査定額がどのような根拠で出されたものなのか判断しやすくなります。
逆に、認定なしでも立地や管理状態などを評価して、周辺相場に近い査定額が出るケースも考えられます。
「認定なしだから安い」という先入観ではなく、実際の査定理由を比較することがポイントです。
1社だけでなく複数社の査定を比較する
マンションの査定額は、どの会社に相談しても同じになるとは限りません。
同じ物件でも、地域の販売実績や想定する買主、売却戦略などによって査定結果が変わることがあります。
特に今回のように、
「管理計画認定を取得していない」
という条件が気になっているなら、1社だけの査定結果を見て、
「このマンションは認定がないから、この価格までしか売れない」
と判断するのは早いでしょう。
複数社に査定を依頼して、
- 「認定なしをどう評価したか」
- 「周辺の類似マンションと比べてどこを評価・減額しているか」
を比較すると、自分のマンションの市場価値をより具体的に把握できます。
無料の一括査定サービスを利用すれば、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼する方法もあります。
ただし、査定額が一番高い会社をそのまま選べばいいとは限りません。査定額の根拠や、実際にどのような売却戦略を考えているのかまで確認してから判断しましょう。
まとめ|認定なしだけで売却価格が決まるわけではない
管理計画認定を取っていないマンションは、認定マンションと比較された場合に不利になる可能性があります。
認定マンションは管理状況が一定の基準を満たしていることが見える化され、住宅金融支援機構の制度による金利引下げなど、購入者側のメリットもあります。
ただし、「管理計画認定なし=売却価格が必ず下がる」という単純な話ではありません。
立地、築年数、建物の状態、修繕履歴、長期修繕計画、修繕積立金など、実際のマンションの条件によって評価は変わります。
そのため、売却を考えているなら、
「認定を取っていないから安くしか売れない」
と最初から決めつけないことです。
まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、管理計画認定を取得していないことを各社がどのように評価するのか、そして実際にいくらで売れる可能性があるのかを確認してみましょう。

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